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『Contact』アルバムレビュー(総括)

どれだけ「これはいい」「素晴らしい」と書いても
その“良さ”は読む人には伝わらないと思っています。
面白いと思うものは、“その人自身”がそこからみえてくるもの。
そんなようなことを大昔に、ロック雑誌か何かで読んだ気がしますが。

絵画だって、音楽だって、そう。
ピカソの絵には、ピカソという人物そのものが表れてるように思います。
ピカソがどんな人か知らなくても、
大切なことは作品のなかに全部あるのだと思います。

おなじように、
この『Contact』というアルバムには、“茅原実里”という人間が表れてる。
それも奇跡的なぐらい、くっきりと。
茅原さんはもちろん、この作品に関わったすべての人に心から敬意を表します。

1.Contact

ダンサブルなベースラインがはじまりの合図。
出逢い、触れ合い――
たくさんの愛(あい)のはじまり。

このアルバムを通じて、だれもが茅原実里とコンタクトできる。
何十時間、目をみて会話するよりも、はるかに深いところで。
覚悟はいいですか?

2.詩人の旅

アルバムのリードナンバーへ、ちょっとしたファンタジー。

“詩人”は、みのりんであり、たぶん聴いてる人みんな。
ひとりひとりが、愛を詩(うた)にしなくては!
願いをかなえるために。
強いか弱いかではなく、きっと両方あわせたものが自分。

3.ふたりのリフレクション

「今までにない明るさを放ってる曲」。

瞳とおなじ、まっすぐに澄んだ歌声が印象的。
そこに込められた想いを反射させるのは、あなた。
そして、互いの気持ちがぶつかり合ったとき、
きっと次の奇跡は起きる。

4.純白サンクチュアリィ

歌手活動再開シングル。

歌が大好きな人はたくさんいるけれど、
歌わないと生きられない人は、そうはいない。
“歌手・茅原実里”は、作るために歌うのじゃなく
歌いながら自分と向き合ってるような気がします。

この歌があるから、何が起ころうとも、何度でも、純粋に戻れる。

5.Dears 〜ゆるやかな奇跡〜

愛してると言えば愛が伝わるわけではないから、
だれもが自分なりのコトバや方法で、なんとかして愛を伝えようとする。
それが、ラヴソング。
大切なのは、リアルな相手(Dear)とリアルな想い(気持ち)。

正解は歌のなかにあるのではなく、
それぞれの心のなかにあるのだと教えてくれる。

6.Cynthia

またひとつ、新しいみのりん♪
月の光の下、軽快に、スタイリッシュに、踊りだしたい気分。
抑えぎみのボーカルから届けられる歌は、艶やかで力強い。

CDのなかでみのりんが歌い
CDを聴きながらぼくらの心が歌い
CDの立派なパッケージからはスタッフの歌が聞こえてくる。

7.sleeping terror

一転、深くて重い、ダークな世界へ。静かな嵐。
この歌詞に“人生”をみたという彼女のボーカルは、
迷いも揺らぎもなく、ただ一点をみつめてる。

何が真実で、何が幻か。
だれにもわからない幻想。
現(うつつ)の理(ことわり)。

8.too late? not late…

元気のいい打ち込みリズム+歪みギターをバックに歌われるのは、
新しい自分への目覚め。
勇気と希望に満ちあふれてる。
もっと広い空をみつけて蝶が飛び立つ。

新しい世界に踏みだした彼女は、
さらに高く、どこまでも遠くへ、歌うことで飛んでいける。
たどり着けない場所なんてない。

9.夏を忘れたら

サマー'07
ちょっぴり切ない夏の思い出。
いつまでも色あせない。

こんなステキな曲を聴きながら海へと向かったら、
どんな思い出ができたでしょう。
過去は未来につながり、思い出はいつか勇気にかわる。

10.mezzo forte

これぞ茅原実里ナンバー!! な、ストリングスがとても自然。
心に響くものにはいつも、余分なところがない。
必要な音しか弾かない。

みのりんの歌も、足し算ではなく、引き算の美学。
決してテクニックに頼らない。

11.君がくれたあの日

リズムじゃなく、メロディーが生み出す疾走感!!
ライヴで聴きたい、リスタート2ndシングル。
もしも打ち込みじゃなかったら、走らないのは至難の業。
ぼくらのハートも走りだす。
PPPHはいらない。

絶望からは希望しか生まれない、という歌。

12.truth gift

感謝、夢、勇気――。
形のないものがつなぐ無限のサークル・ゲーム。あたたかい。

“ありがとう”のコトバを使わなくても
最大の“ありがとう”が、心の奥のほうまで届いてくる。
そして、みんなの“ありがとう”が、また彼女のもとへと――。

クロスレビュアー

アニソンマガジン(洋泉社)などで執筆中の音楽/アニメ・ライター。

80年生の音楽ライター。アニソンマガジンの企画/メイン・ライターを務める。その他執筆媒体は、CDジャーナル、bounce、クッキーシーン、アニカンR-music等など。音楽ガイドブック制作によく参加したり、BGM監修やコンピの監修も手掛けたり。

フリーライター。各アニメ誌・声優誌等にて幅広く活動中。アニメNewtypeチャンネル内の動画インタビュー番組gammyの必萌仕事人ではメインパーソナリティーを務める。

編集プロダクション・ユービック代表。アニメソング専門誌アニソンマガジン編集長。

82年生。ライター。通称「前Q」。ライトノベル、アニメ、アニソンなどオタク周辺事象について広く執筆中。主な執筆媒体にオトナアニメ、アニソンマガジン(洋泉社)、まんたんブロード(毎日新聞)、ニュータイプ(角川書店)など。

フリー編集者、ライター。B Street Band所属。千葉県市川市出身。

構成作家。涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団ラジオ支部、らっきー☆ちゃんねる、らっきー☆ちゃんねる 陵桜学園放課後の机、radio minorythm etc.