■澄川龍一
緊張と緩和。冷たい雨のあと、あたたかな陽光に照らされて輝く花。すべてを黄金に変える茅原実里の「光になりたい」という感動的なパンチラインひとつだけで、この名曲の輝きは永遠のものになった。ハイスパートに突き進みながらも抑えきれない喜びを表わすようなストリングスの調べ、キラキラ輝く歌詞、太陽のように眩しいヴォーカル……それらすべてが完璧である。そしてそれらすべてが僕らにとっての“光”であると言っているようなのだ。
■冨田明宏
不安と戸惑いに満ちたファースト・ツアーを成功させた彼女が、ファンのみんなに向けて、始めてストレートに感謝の気持ちを綴ったシングル曲。今まで貰った分の想いを、今度は自分から、歌に乗せて返したいというその真摯な想いに満ち溢れている。その多幸感がサウンド、メロディ、歌詞、そして歌声として絶妙に収斂され、彼女とファンとの関係性を象徴するような、実に味わい深い良曲に仕上がった。
■永田寛哲
畑亜貴らしくない、といえば語弊があるかもしれないが、彼女には珍しいほどストレートな表現を打ち出した歌詞が、開放感のあるサウンドに見事にマッチしており、まさに雨上がりの晴れ空を仰ぎ見るかのよう。雲間から射し込む太陽のような彼女の歌声は、真っ直ぐにリスナーのハートを熱くさせてくれる。そんなハッピーなナンバーだ。
■前田久
4thシングル楽曲。1stアルバムの成功を受けた直後の楽曲ということもあってか、歌うことの喜びが実にストレートに楽曲に表現されている。サビのメロディーラインが持つ高揚感は収録楽曲中でも随一で、ラス前の鮮やかな転調がその印象をさらに持ち上げてくれる。大気を切り裂くようなSEの挿入もスタイリッシュかつユニーク。
■渡邊純也
2008年8月にリリースされたシングル曲でradio minorhythmのOPテーマ曲。
ラジオの構成を務める僕としては、特別な思い溢れる曲である。
アルバム『Contact』に合わせた全国ツアーではファンのみんなから
言い表すことができないくらいの大きな力をもらったという茅原実里。
その感謝の気持ちをいち早く伝えたいという思いで製作されたこの曲。
この曲を聞いた全ての人を《笑顔でいつも元気にしたい》という願いは、
グッドメロディに乗せて最大限の温もりとなってリスナーの心に届く。
今、茅原実里がすべてをかけて贈る応援歌である。
クロスレビュアー
>> 澄川龍一
78年生まれのアニメ/音楽/シナリオ・ライター。アニソンマガジン(洋泉社)、アニカン(アニカン)、声優グランプリ(主婦の友社)、CDジャーナル(音楽出版社)などで執筆中。
>>冨田明宏
80年生の音楽ライター。『bounce』、『CDジャーナル』、『クッキーシーン』、『テレビブロス』などに執筆。『アニソンマガジン』、『オトナアニメ』、『アニカンR-music』、『エクス・ポ』でアニソンの真剣評論も展開中。著書に『同人音楽を聴こう!』(共著)など。
>>永田寛哲
アニメソング専門誌『アニソンマガジン』編集長にして、編集プロダクション・ユービック代表。 11/29に『テクノ歌謡ディスクガイド』(扶桑社)が発売されます。
>>前田久
1982年生。ライター。通称“前Q”。主な執筆媒体に『オトナアニメ』(洋泉社)、『アニソンマガジン』(〃)、『月刊Newtype』(角川書店)、『まんたんブロード』(毎日新聞社)など。
>>渡邊純也
構成作家。「涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団ラジオ支部」「らっきー☆ちゃんねる」「radio minorhythm」「yozuca* MUSIC-GO-ROUND」などを手がける。